2013/12/19 20:42

寮美千子さんの「父は空 母は大地」をテキストにしたリーディングセッション。in明大前キッド・アイラック・アート・ホール
鋭い太鼓の音が鼓膜とホールの空間を打つ。矢中鷹光さんのヴォイスフルート。サックスと篳篥の間のような不思議な音色をよく聴いているとそれは人の声なのだ。けれどまたすぐにリードの震える美しい響きの楽音に聞こえてくる。
前半は矢中さんのライブ、そして後半は「父は空 母は大地」を朗読しながらのパフォーマンスとなった。
あかるさんの激しい舞い。水木菜花さんの朗々とした改めての全文の朗読には強い哀惜が込められていた。

終演後、矢中さんの200年も前の栃の木から手作りされたというオリジナルの12弦楽器、LYRAを寮さんがノリノリで奏でていらっしゃる時に薄く彫り込んだサウンドホールのヘリに触らせてもらった。共鳴する、古くよく乾いて弾かれるために削り出された形。木質の内側の微細な空洞がみな共鳴しているんだろうか。