夢の道標


夢もまだ醒めないままの瞳で
青空を指さして 
あなたはもうずっと先へ行ってしまった

私は地平線を見る 
明けることも暮れることもない薄桃色の薄明が
古びてもなお張りついている
暗い箱の一面で
私は昔の未来を空に描いてみる

あなたは絵のなかで 細い指をあげ  
雲に描かれた夢の道標を  
知らせようとしている  
未来へ  
未来へ   

 
覗き窓はもう消えてしまったのか  
私の心は暗いのに  
映し出されるかげろうをもて  
いつのまにか肌の痛みも消えて
 

 2001