お父さんが出てくる物語

「ヘフツィール物語」A・レペトゥーヒン (訳)岡田和也(絵)きたやまようこ(未知谷)

を取り出してくる。

 

この作品は著者のレペトゥーヒンが娘の姉妹のために語った物語を編んだもの。

一見するすると読めてしまうおとぎばなしなのだが、『書き手のお父さん』に対する要求があったりなど物語世界と入れ子構造になった外部世界に対して登場動物(?)たちがさらっと自覚しているのが可笑しい。

 

今の私には著者の思想が見えるような物語が読めないので(ものすごく人アレルギーになっている時にそんな風になる)、単純に誰かのために描かれた、誘導の緩やかな物語が心に優しい。

あんまり寄り道したり静養している時間も、私自身の願いのためにはないのだけれど。