2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

未来という感覚

幼い頃に、自分と分かち難い存在が若くして突然にこの世を去る。 わたしは子ども特有の回復力で日々のことに紛れ埋れ吸収し伸びて行く時間をすごす。 いちばん近しい家族でさえ胸を撫で下ろす。理屈の通らない話だと分かっているのに、自分が長くは生きない…

薄明から(引用)

人は薄明のうちに、謎とともに生まれる。もしも運命という石が見出されたとしたら、人はそれを限りなく透明になるまで、飽くことなく磨きつづけることだろう。ある人にとって、絵を描く行為は、このような薄明のなかから生まれるのだ。その種子は無心の巣の…

物たちからの問いかけ、到達しない愛(引用)

しかし、かれら物たちのすべてが、私の認識の枠のなかで、飼い馴らされ、おとなしくしているわけではない。 ある物たちは絶えず私に問いかける。 いや、私に謎をかけるのである。 私はかれらを鎮めるために、言葉を考えてやらねばならない。それがいまかれら…

「シュルレアリスム、あるいは痙攣する複数性」鈴木雅雄(平凡社) より引用

以下引用。 序 テクストとその外部 文学などどうでもよいと断言できる誰かのために、この書物は書かれた。既存の文学観に反旗を翻すのではなく、何らかのレベルで文学の無力を嘆くのでもなく、一つの単純な事実としてそう断言できる誰か、テクストは一旦書き…